人命救助の分野で、データ アナリティクスは優れた力を発揮します。

ブログ著者:Mark Bilotta  本ブログは Customer Spotlight: South Central Ambulance Service NHS Foundation Trust の翻訳になります。

South Central Ambulance Service NHS Foundation Trust (SCAS、南部中央部救急サービス国民保健サービス信託基金) という医療機関にとって、わずか数秒の貴重な時間の差が命を救えるかどうかを左右することがあります。救急隊員が最初に現場に急行したときに、患者に適切な処置を施すには、迅速に対応し、リアルタイムで情報を利用できることが非常に重要です。

SCAS は英国の国民保険サービス (NHS) の一部であり、英国の緊急電話番号 999 に対応するサービスはバークシャー、バッキンガムシャー、ハンプシャー、オックスフォードシャーの各州を対象にしています。これらの地域には、合計 460 万人を上回る人口がいます。

SCAS は、計 50 万件を超える緊急通話や至急通話を含め、年間合計 175 万件の通話に対応していると報告しています。したがって、ときにはわずか数分のうちに、膨大な量の情報を収集し、報告して対応する必要が生じるという事態を想像できます。SCAS でビジネスインテリジェンス (BI) の専門スペシャリスト ビジネス アナリストを務める Vivienne Parsons (ヴィヴィアン・パーソンズ) 女史は、職務上の要件について次のように説明しています。

「私たちの職務は、極めて重要な救急車の隊員、車両、そして患者を A 地点から B 地点にできるだけ迅速かつ効率的に移動することです。命に関わる状況では、救急車の隊員とボランティアの対応や専門知識はもちろん、貴重な数秒間を短縮することが、命を救えるかどうかを左右することもあります。私たちは毎日、受信者に合わせてカスタマイズした 30 ~ 40 件のレポートを提供し、チームはそれを受けて分析を行っています。」

SCAS は、データ管理に関して数多くの課題を抱えていました。データディスカバリーとビジュアル アナリティクスに対応するリアルタイムに近いソリューションは存在していませんでした。日常業務に必要な概要情報を作成して報告するには、多大な時間と労力が必要でした。必要な主要データを収集して運営スタッフ、チーム リーダー、経営幹部、そして組織全体に届けるための、単純な手段や広く利用されている手段は存在しませんでした。このような課題のために、時間が最も貴重なリソースである環境にありながら、時間が無駄に使われていました。

2010 年に、SCAS は Qlik Elite のソリューションプロバイダーである Differentia Consulting を通じて QlikView を導入し、短期間の間に、組織の全領域にわたって数々のアプリケーションを構築しました。効果はすぐに現れました。SCAS はアーキテクチャを再開発し、Qlik の利用範囲を拡大するため、自動レポート作成用の NPrinting と、セルフサービス機能付きのリアルタイム パフォーマンス アプリを作成するための Qlik Sense の導入を決定しました。SCAS の BI 担当専門スペシャリスト ビジネス アナリストである Vivienne Parsons 女史は、この変化に関して次のように述べています。

「以前はレポート作成に多くの時間がかかっていました。特に、週末のデータも処理しなければならない月曜日には、非常に時間がかかりました。Qlik Sense の使用により地理的なマッピングの能力が向上し、人口密集地域に派遣基地を配置できるようになりました。情報がきわめて有効に活用できるようになったのです。」

SCAS は確かに、「生命救出」の目的でデータを有効活用できるようになりました。開発したさまざまなアプリケーションは、 緊急電話番号 999 に対処するコントロール ルームの壁に表示されています。スタッフはこれらのアプリケーションを使用して、各救急病院のその日の需要予測、対応状況、車両数を確認できます。SCAS はそれ以外に、インシデントが発生した出動先をマッピングによって示しており、ドリルダウンにより、地理、人口属性、季節性、時間の傾向を詳細に確認することができます。この結果、展開と予防の方針が向上します。

「先日、ある運用チームが、『以前は細かいことをいちいち聞いていたけれど、今では自分で情報を確認できるようになった』と言ってくれました。それこそが、私たちの望んでいた成果です。」 (Parsons 女史)

Qlik を採用した結果、SCAS は重要レポートを作成する際に繰り返しの作業をなくし、所要時間を削減することができました。以前は約 2.5 時間かかっていた作業が今では 5 分以下で完了します。Qlik Sense はすべてのデバイスでデータにリアルタイムにアクセスできるため、運用マネージャーは自分の携帯電話にこのデータを表示して、その場で意思決定を下すことができます。リソースと関係者に関する可視性が向上し、情報が入手できるようになったため、SCAS ではこれまで以上に効率的に、より多くの知識に基づいて作業できるようになりました。

「あらゆる NHS 組織は、限られたリソースを常に最大限に活用し、持てる能力を最大限に発揮していることを提示する必要に迫られています。SCAS は、チームが達成すべき成果目標を定めているので、レポート作成は避けられません。Qlik の利用により、SCAS でレポート作成に要する時間が短縮され、その代わりにデータをより多くの人々に提供し、データを利用して救急車サービスの改善案を検討できるようになったことを嬉しく思います。」(Qlik 医療ケア担当ディレクター、David Bolton (デビッド・ボルトン) 氏)

Qlik Sense は SCAS が外傷プロファイルを理解するうえでも役立っています。たとえば、交通事故の場合に、各インシデントがデータストーリーテリングを通じて組織全体に通知されます。患者の特定に至らないデータを電子患者レコード (ePR) から取得し、治療後の経過や結果を多くの機関と共有します。インシデントの分野で、従来は書面に記入したデータをスキャンしていたことや、データのドリルダウンに伴う課題が原因で、定量化が困難でインサイトを獲得できませんでした。現在は、上記の電子データを通じて、そのようなインサイトを獲得できます。データストーリーテリングにより、SCAS は年齢、性別、場所、時刻、状況ごとにプロファイルを作成し、マッピングを使用して交通事故が発生しやすい場所の詳細情報を検討できるようになりました。この詳細レベルの情報は、事故防止・改善戦略の一環として、消防や警察などの他の緊急サービスと共有されています。

Qlik の利用によって作業時間を短縮した South Central Ambulance Service は、過去ではなく、将来に目を向けることができるようになりました。データ管理に要する時間を短縮することで、自分たちが最も得意とする地域における人命救助にさらに多くの時間をかけられるようになったことは素晴らしい成果です。

* Qlik製品 国内導入事例はこちらのサイトでご覧頂けます。