組織がデータを活用しようとしていますが、観察ではなく洞察を獲得する準備はできているのでしょうか。観察と洞察はどこが違うのでしょうか。

ブログ著者:Jordan Morrow   本ブログは Insights vs. Observations の翻訳になります。

「データは新しい石油だ」といったキャッチフレーズがあちこちに溢れています。それはまったくそのとおりです。データは非常に貴重な資産であり、あらゆる場所のあらゆる業界の組織が、独自のデータ資産を活用しようとしています。会社がデータから価値を獲得する方法として採用している 1 つの手段が「データの民主化」です。データの民主化とは、一般ユーザーがデータを利用できるようにすることです。この方法で問題になるのが、個人のほとんどが基礎能力不足のために、データを本当の意味で効果的に使用できないということです。これがデータリテラシーがあるかないか、ということです。そうは言うものの、データの民主化はインサイトを収集するうえでは絶対的に正しい方法です。しかし、これによってさらに新しい問題が生じます。ユーザーのほとんどがデータを観察することはできるでしょう。しかし、データからインサイトを容易に収集できるのは、その中のどれくらいでしょうか。インサイトは真の価値であり、観察ではありません。

洞察と観察を比較して考える場合は、1 つの直接的なフレームワークを利用するとよいでしょう。DIKW と呼ばれるフレームワークであり、その名前は、データ (data)、情報 (information)、知識 (knowledge)、知恵 (wisdom) の頭文字に由来します。インサイトと観察の違いを説明するために、DIKW という頭字語を分けて考えます。観察について考えるときは、最初の 2 文字である D (データ) と I (情報) に注目します。観察はデータリテラシーとアナリティクスの重要要素です。観察によってデータの方向を理解し、傾向を見つけ、データの場所を把握できます。観察はほとんどのユーザーが行うことができます。傾向線が上がっているか下がっているか、円グラフの各要素の大きさの違いや、最新の棒グラフのバーの長さの違いを見分けることは難しくありません。3 部作の優れた学習シリーズ『データ情報に基づく意思決定』では、著者である Qlik の Kevin Hanegan が DIKW について解説しています。Kevin によると、データとは互いに独立した未加工の観察結果であり、情報とは、そのデータに意味、理解、関連性、目的を追加したものです。観察は、物や人を注意深く見る、または情報を得る目的で確認する行為またはプロセスとして定義されます。つまり、観察とは「何」を問うものであり、データに何が起こっているかを確認する行為です。データリテラシーの観点から言うと、観察の方が容易です。ほとんどの人がデータを観察できます。しかし、観察は本当の意味でデータ情報に基づく意思決定に役立っているのでしょうか。私たちは「何」よりも先にあるものを問う必要があります。

Kevin は D (データ) と I (情報)、つまり「何」の先にある知識と知恵へと説明を進めます。Kevin の説明によると、知識 (Knowledge) とは情報に個人的な信念や価値を追加したもので、知恵 (Wisdom) は知識に経験を追加したものです。K (知識) と W (知恵) は直接インサイトに結び付きます。インサイトは、人や物事を正しく直観的に、かつ深く理解する能力として定義されます。データと情報が「何」を説明するものだとすると、知識と知恵は「なぜ」を説明するものです。インサイトでは、個人や組織が観察や「何」の先に進むために、自身の個人的な経験や歴史などを追加できます。そして、インサイトや「なぜ」に進むのです。これはデータやアナリティクスの人的要素です。組織がスマートデータを利用し、スマートデータ情報に基づく意思決定を行うには、インサイトを目標とする必要がありますが、これこそが世界中の組織にとって、データリテラシーのスキル不足が問題となる部分です。