「人々のデータリテラシー向上に取り組むことがより良い社会を生み出すことになる」
- 新カントリー・マネージャー今井浩が語る 2020年の Qlik(第 3 回)谷川 耕一 / 2020年 1月 27日

2019年 10月にクリックテック・ジャパンの新たなトップに就任した今井浩カントリー・マネージャー。入社後 3 ヶ月を経て、Qlik のあるべき姿に向け走り始めています。フリーランスジャーナリストとしてデータ活用や BI に一家言ある私、谷川耕一が、IT エンジニア、専門誌編集者、さらに日本オラクルのマーケティングを経験した立場から、今井さんが描く 2020年の青写真に切り込みます。

Qlik は進化を続け、BI ツールではなくビジネス変革のためのデータ分析基盤となっています。しかしながら優秀なデータ分析基盤の Qlik を導入しても、それを利用する人々のデータリテラシーが向上しなければ、なかなかビジネス変革には結びつきません。ブログの 3 回目では、Qlik が提供するデータ分析基盤を最大限に活用するために、Qlik ではいったいどのような取り組みをしているのか。また、人々のデータリテラシーを向上することで、どのようなことが期待されるかについて考えました。

Qlik なら企業における「DataOps(データオプス)」の実現を容易にする

独自の拡張知能と連想インデクシング技術、さらにはデータカタログとデータインテグレーション機能が追加されたことで、Qlik は BI ツールからビジネス変革のためのデータ分析基盤へと進化している。このデータ分析基盤を使えば、企業が真にデータを活用して新たなビジネスを具体的に生み出すところまでサポートできる。新しいビジネスの具現化までもが見えてくれば、企業としてはデータ分析に対し、より積極的に投資するようになるだろう。

ところで、これまでのデータ分析では必要なデータを集めることに手間がかかり、ツールの使い方を覚えるなども必要で、なかなかデータ分析結果を新たなビジネスに適用するところに注力できていなかった。つまり、手間をかけてデータを分析しても、結果を新たなビジネスのために使う頃には陳腐化してしまい、新たな価値を得るタイミングを逸してしまうのだ。

変化の激しい今の世の中では、データ分析の専門家がじっくり時間をかけてデータ分析を行うよりも、ツールの力を上手く活用し、さまざまな立場の人が素早くデータを分析、得られた結果をすぐにビジネスに適用して試すほうが有効だ。迅速に分析して試し、評価してフィードバックから新たなデータを取得する。そのデータを使ってさらに分析をやり直す。このサイクルを短期間にどんどん回せるようにして、トライ・アンド・エラーで新たなビジネスを育てる方が変化には追随しやすいのだ。

もちろん、高度なスキルのデータサイエンティストが、手間と時間をかけて精度の高い予測を行うべき領域もある。Qlik を使えば、高度なデータ分析作業を行うデータサイエンティストの負担も減らせるだろう。とはいえ、「よりQlik の価値が発揮できるのは、ビジネス現場にいるさまざまな人たちがどんどんデータに触れ、知見を取得し、活用できるようにするところにあるはずです」と今井さんは言う。

アジャイル開発や DevOps で、アプリケーションを継続的に進化させる考え方が定着してきた。実はデータ分析も同様で、データ活用を組織に定着させ、継続して知見を得て活用できるようにする「DataOps」という考え方が普及しつつある。組織の中で DataOps の実現を容易にするのが、Qlik のようなデータ分析基盤の最大の役目となるはずだ。

「人々のデータ活用能力が高まれば世の中が良くなる」- データリテラシープロジェクト

DataOps を容易にするとしても、Qlik はあくまでもツールであり人が使うための道具だ。どんなに優れた道具があっても、使う人のリテラシーが十分に確保されていなければ、データ活用は組織に根付かないだろう。

この課題を解決する施策として、Qlik ではデータリテラシープロジェクトを実施している。これは、グローバルに展開しており、「人々のデータ活用能力を高めるためのものです。Qlik などを使えば、データを分析して知見を得ることができます。得られた知見を活用する人々の能力を高められれば、世の中がもっと良くなるはずです。その信念を持って取り組んでいるのが、データリテラシープロジェクトです」と今井さん。これは製品ありきのプロジェクトではなく、データリテラシーの高い人を世の中に増やすことを目指すもので、結果的に Qlik のビジネスも拡大するとの考えで取り組んでいる。

データリテラシープロジェクトは、Qlik が無償で提供する「草の根運動」のようなものだ。データに対する人々のリテラシーが向上すれば、生活レベルを上げることにもなる。実は生活する中では、知らず知らずのうちにさまざまなデータに直面している。たとえば、目的地までの最適なルートを探す際にも、コストや時間などのデータがある。天気予報の降水確率を見て傘を持っていくかどうかの判断でも、自分なりにデータを元に予測を行っているはずだ。必ずしも具体的な数値を集めて計算まではしていないかもしれないが、頻繁にデータから傾向を見たり比較をしたりしているはずだ。

生活の中のさまざまな判断を勘や経験だけに頼るのではなく、少しでもデータを元に考えられるようになれば、より間違いや無駄のない選択ができるはずだ。そうすれば、コストや時間も節約され、生まれる余裕は生活を豊かにするクリエイティブな活動に利用できる。つまりビジネスの意思決定でデータを活用するだけでなく、人々の生活を豊かにするためにもデータは大いに活用できるのだ。

そう考えているからこそ、人々のデータリテラシーを向上させるデータリテラシープロジェクトに Qlik は取り組んでいる。こういったことには、BI やアナリティクスに関わるあらゆる企業が取り組むべきだとも今井さん。そして「日本においてもデータリテラシープロジェクトで人材教育を行い、データ活用ができる人材を育て増やします。それが、日本経済の競争力向上になると考えています」とも言う。

パートナーのデータリテラシーを向上してパートナーエコシステムで取り組む

草の根的に人材を育成するのは、かなり長いスパンで成果を得るものだ。もう少し早く効果が出るよう Qlik で力を入れるのが、パートナー施策の強化だ。ユーザー企業の中でデータリテラシーを高めてもらうと同時に、SI 企業にもデータリテラシーを高めてもらう。

単にパートナーに Qlik 製品を売ってもらうのではなく、パートナーと Qlik が一緒になってデータ分析基盤を使い企業変革をサポートする。これにはパートナーにおけるデータリテラシーの向上が欠かせない。パートナーは、それぞれに得意領域がある。金融業界に強いところもあれば、製造業の経験が豊富なところもある。また管理会計が得意、あるいは顧客管理ソリューションに長けているところもあるだろう。「パートナーの特化したノウハウと、Qlik のデータ活用ノウハウを上手く組みあわせるために、パートナーとのエコシステム構築に力を入れます」と今井さんは言う。

ベンダーとの代理店的な関係性ではなく、パートナーとエコシステムを作ることには、今やさまざまなベンダーが取り組む。エコシステム成功の鍵は、どこまで具体的な活動に落とし込めるかだろう。その点ではデータリテラシープロジェクトをパートナー向けにカスタマイズし展開するのも有効そうだ。

またクラウド時代になり、世間では SI ビジネスのあり方も変化せざるを得ないと言われている。エコシステムでパートナーが Qlik と一緒になり、顧客企業への新たな価値提供を考えるようになれば、SI 企業のビジネスモデルも時代に合ったものに変わるだろう。Qlik としては、その観点からもパートナーエコシステムを構築する必要がありそうだ。

新カントリー・マネージャー今井浩が語る 2020年の Qlik(第 1 回)

新カントリー・マネージャー今井浩が語る 2020年の Qlik(第 2 回)