「製品はいいのに、クリックテック・ジャパンの体制はどうなっているんだ」というお客様の叱咤激励にお応えします
- 新カントリー・マネージャー今井浩が語る 2020年の Qlik(第 1 回)谷川 耕一 / 2020年 1月 14日

2019年 10月にクリックテック・ジャパンの新たなトップに就任した今井浩カントリー・マネージャー。入社後 3ヶ月を経て、Qlik のあるべき姿に向け走り始めています。フリーランスジャーナリストとしてデータ活用や BI に一家言ある私、谷川耕一が、IT エンジニア、専門誌編集者、さらに日本オラクルのマーケティングを経験した立場から、今井さんが描く 2020年の青写真に切り込みます。

今回は、Qlik のあるべき姿と果たすべき役割について今井さんが抱く構想について、Qlik 入社前から試行錯誤していたデータ活用によるデジタル経営実現という理想と、就任早々お客さまやパートナーから受けた様々な声から得た反省と共にお届けします。

「攻めの IT」の提案が、データ保護からのアプローチでは顧客に響かなかった

データサイエンティストや経営企画部門の分析担当者などではなく、企業のビジネス現場にいる従業員がセルフサービスでデータの探索ができる。そのようなコンセプトを持つ BI、アナリティクスのプラットフォームのイメージが、Qlik にはある。多くの BI ベンダーが大手クラウドベンダーなどに買収される現状があり、そういった中では独立系のベンダーとして奮闘し、市場をリードする存在とも捉えられる。

2019年 10月、Qlik 日本法人のカントリー・マネージャーに、新たに就任したのが今井浩氏だ。今井さんの前職は Dell EMC でのデータ保護ソリューション事業本部 事業本部長。つまりは「データを守るソリューション」を顧客に提供してきた。今度は Qlik で「データを活用するソリューション」を展開する。

データの活用は、昨今流行の、いや既に食傷気味になりつつあるキーワード「デジタル変革」の重要な鍵だ。企業はデジタル化を行い、そこから生まれるデータを活用して知見を得て、知見を使い新たな価値を生み出しビジネスを変革する。この一連のプロセス全てを成し遂げるのがデジタル変革であり、データ活用なくして成功はあり得ない。

ブームの波に乗るために、今やあらゆる IT ベンダーが自社製品やサービスがデジタル変革に貢献するとアピールする。今井さんが携わってきたデータ保護領域でも、データを確実に保護できるのは当たり前で、保護したデータをいかに 2次利用、3次利用して活用できるようにするかを提案する。むしろデータ保護を提供するベンダーとしては、そこまで踏み込んだ提案でなければ競合他社への優位性を発揮できない。

当然ながら今井さんも、保護からさらに攻め込んだ提案を Dell EMC 時代に行ってきた。「日本では特に守りだけになりがちです。攻撃が足りない、守りだけではだめですと話をしてきました」と言う。しかしながら、今井さんの言葉は日本企業でデータ保護を担う情報システム担当者などにはあまり響かなかった。多くの日本企業の経営者や情報システム担当者は、データを守るだけで十分なのだ。データを使いアクションを起こし、ビジネスを変えるところにはなかなか踏み込めない、踏み込まない企業が多い。

今井さんは、データ保護からのアプローチではなかなか顧客企業を動かせないことを実感する。そんな状況にジレンマも感じ、より直接的にデータ活用のアプローチを顧客に対し行おうと考えるようになる。結果が、Qlik への転職だった。

データ活用を提案できるベンダーの中で、なぜ Qlik を選んだのか。「多くの BI ツールはデータを可視化するもので、ある意味お絵かきツール的なものが多いです。対して日本企業で一番必要となる、データを活用するクリエイティブな面を持つツールが Qlik だったのです」と今井さん。データを可視化するだけでなく、クリエイティブな発想で活用できるようにする。それを可能にしているのが、Qlik に備わっている拡張知能と連想インデックス機能だったとも言う。

2ヶ月で Qlik の大きな変化を把握

ところで BI、アナリティクスのソリューションの歴史はかなり長い。BI ツールは 30年程前に生まれ、継続的に進化を続けている。初期の BI ツールはメインフレームからデータを抽出しレポーティングを行い、次にオープンシステムのリレーショナルデータベースのデータを加工し帳票やレポートに出力した。続いてグラフなどを使った可視化機能が充実し、インタラクティブなアナリティクス機能も追加される。

以降はクラウドが普及し、クラウド上ですぐ使えるBIサービスも台頭する。この頃の BI ツールからが第二世代で、キーワードは「セルフサービス」となる。つまり第一世代までは情報システム担当者などが現場からの依頼で帳票やレポートを出力したり、あらかじめ分析環境をセットアップし一部のアナリストなどに提供したりしており、結果的にデータ活用ができるのは限られた人たちだけだった。第一世代の状況を Qlik などがリードして打開し、エンドユーザー主導でデータ活用できるようにしたのが第二世代だ。第二世代では誰でも簡単に扱えるユーザーインターフェイスを用意し、ダッシュボードなどの機能も主流になり BI ツールの認知度も向上した。

しかしながら、セルフサービスを謳った第二世代の BI ツールは、ビジネスユーザーが自分たちだけで自由にデータを扱えるものではなかった。いざ分析をしようとしても、欲しいデータがどこにあるか分からない。全てのデータを1ヶ所に蓄積するデータレイクも、コンセプトは良かったがコスト的にも手間的にも上手く運用できず、使いやすい BI ツールがあってもやりたいデータ分析がすぐにできる状況にはならなかった。

これらの課題を克服するために、真にデータ活用を民主化する第三世代の BI、アナリティクス環境の提供に、今 Qlik は取り組んでいる。そして第三世代の BI、アナリティクスを可能にするのが、Qlik 独自の拡張知能と連想インデックスだと今井さんは改めて主張する。さらに Qlikでは、独自技術を搭載する BI、アナリティクスツールの「Qlik Sense」に加え、エンタープライズ・データ管理を実現するデータカタログ製品やエンタープライズ・データ統合製品を提供し、「エンドツーエンドのデータ分析基盤をどこでも、誰でも簡単に使えるようにしています」と今井さんは言う。

第三世代に向けた Qlik の変化は、まさにここ最近の 1年間で起きている。Qlik Data Catalyst の元の技術となる Podium Data 社の買収発表は 2018年 7月、Attunity 社の買収も 2019年 2月だ。Qlik では買収で製品ポートフォリオも変わり、組織における人員配置も大きく変化している。この Qlik の大きな変化状況を今井さんは、カントリー・マネージャー就任からのほんの 2ヶ月で一気に把握した。「Qlik が大きく変わり、製品、テクノロジー、人に大きな投資をしていることを把握しました」と言う。

Qlik の大きな変化から生まれるメリットを確実に日本市場に伝える

変化を把握した今井さんは、日本法人の代表として顧客やパートナーとも積極的に会話した。その際に数多く言われたのが「Qlik は、製品はいいけれど、クリックテック・ジャパンの体制はどうなっているのか、という叱咤激励の言葉でした」と。Qlik の大きな変化を、2020年以降に確実に日本のビジネスに反映させることが、今井さんに与えられた大きな使命なのだ。

データ保護のソリューション時代に感じていたジレンマを解消する製品、テクノロジーが Qlik にはある。それらをいかに活用し、日本企業のデジタル変革に貢献できるか。「Qlik だからできることを具体的なメニューとして提供します。日本のリーダーとしてそれを実践します」と今井さんは断言する。Qlik の良さを市場でさらに発揮する組織、体制を日本で実現できれば、顧客やパートナーからの叱咤激励の声は賞賛の声に変わるはずだ。

新カントリー・マネージャー今井浩が語る 2020年の Qlik(第 2 回)

新カントリー・マネージャー今井浩が語る 2020年の Qlik(第 3 回)