ブログ著者:James Fisher  本ブログは “The data wars have begun” – Qlik on ‘The Great Hack’ film and how we can win の翻訳になります。

Netflix のドキュメンタリー映画「グレート・ハック:SNS 史上最悪のスキャンダル」は、多くの企業や政府が私たちの個人データを使用している状況について国民の深刻な理解不足を明らかにしています。過去 10 年にわたり、かつてないほど私たちの生活が繋がって爆発的なデータの増大をもたらしましたが、企業や政府によるデータ使用に関する議論が一般社会で意識されたのは、最近のことに過ぎません。

このドキュメンタリーを見た方は、Cambridge Analytica(英語)による個人データの使用に対する Brittany Kaiser 氏(英語)のブーメランのような例えをご存知でしょう。「あなたが個人データを提供すると、それは分析され、あなたの消費行動を操るターゲットメッセージとして戻ってきます」。自分の個人データが自身のソーシャルメディアのフィード上で発信している情報をどのように伝えているかを意識していないため、多くの人は動揺してデータ分析の使用に大きな不信感を抱くでしょう。

組織によるデータマウントの適切な利用に関する懸念が原因でデータ分析の恐怖に陥らないよう、注意が必要です。これは、医薬品の新しい開発の進め方、あるいはより繋がりを持った都市体験といった、真のデータ価値の実現を妨げてしまいかねません。

Brittany Kaiser 氏は「データ戦争は始まっている」と述べ、データ分析の未来に向けた心理戦だとしています。より繋がった知的未来を守るために、この戦いに勝たなければならないのです。それを達成するためには以下の3つが必要となるでしょう。

  1. 新しいデジタル社会契約既に EU で施行された GDPR(英語)Tim Berners-Lee 卿(英語)が提唱する「Contract for the Web Project」(政府、企業、ユーザーがウェブとデータの利用において果たすべき役割を定義するために、2018 年後半にスタートしたプロジェクト)がありますが、もう一歩踏み出す必要があるでしょう。社会が求める信頼を提供するために、社会全体が容認できる体制が必要なのです。
  2. データリテラシー:民主主義には賢明な有権者が必要であるように、データ時代にはデータリテラシーを持つ有権者が必要です。つまり、データを読み、理解し、疑問を抱き、データとコミュニケーションする能力を持つことを意味します。イギリス人の 20%、アメリカ人の 33%が政治関連のデータにうんざりしているというレポートがあります。政治や私たちの生活に影響を与えるあらゆることについて情報に基づいた自ら判断ができるように、情報を読み解き、疑いを持つスキルを身につけることが不可欠です。
  3. 最後の 1つは、透過的、倫理的かつ認証された分散型の接続方法で、データ、コンテンツ、利用者を管理および操作できる堅牢なオープンプラットフォームを創り出すことです。

フェイクニュースや不正確なオンラインコンテンツが出現してから、イギリス人の 24%・アメリカ人の17%は、真実を得るためにデータがどのように利用されているのかをより注意深く調べるようになりました。しかし、データリテラシーに自信があると答えている人は、イギリス人の 25%、アメリカ人の 33%しかいません。これは、100年前のグローバルリテラシーとほぼ同率です。私たちはより向上できるはず、いえ、向上する必要があるのです。

目標は、「絵に描いた餅」ではありません。デジタル社会の基盤全体は、データおよびインサイトのオープンな共有から価値を生み出すことで成り立っています。World Wide Web の起源を振り返ってみると、イギリスの科学者 Tim Berners-Lee 卿は、世界中の機関や大学の科学者の間で自動化された情報共有の需要に応えるためにインターネットを考案、開発しました。

今日、データと繋がることの価値は、私たちの生活のあらゆる側面にわたってインサイトの推進を促進していることです。それは、職場、より広範な社会、そして私生活での経験に良い影響を与える可能性を秘めています。そのため、新たなプラットフォームを構築したり、既存のプラットフォームを改良して、こうしたメリットをもたらす強大なデータのやり取りが悪用されないようにする必要があります。

とはいえ、データの生成、収集、分析において、私たちはまだ比較的初期の段階にあります。都市と生活の結びつきが強まるにつれて、IoT デバイスが爆発的に増加し、これまでにない大量のデータが作成されます。しかし、データと情報(および誤情報)はあまりにも大量で、処理しきれない量になっています。であればこそ、プラットフォーム自体の価値を確実に維持するために人間の能力を強化する人工知能(AI)が不可欠なのです。しかし、これにより新たな問題が発生します。それは、人間がアルゴリズムを作成する上でバイアス(偏見)がかかるという周知の事実です。けれども、AI に対する健全な疑念とデータリテラシーの向上は、より多くの人々がAIの成果に疑問を投げかけて潜在的なバイアスを認識し、それに対処する方法を見つけることができます。

最終的に、この新しいデータと分析システムを考案するにあたって、プラットフォーム内の透明性によって強化された責任ある倫理的なデータの収集に対して責務を負わなければいけません。そうるすことで、データ収集と使用に対して責任が持てるようになるのです。これは、大きな機会を手中にするだけでなく、信頼を維持するためにも本当に大切なことなのです。