データ・ドリブン」を実現する方法を示す CDO 向けのフレームワーク 

皆様がご存じのように、CDO (最高データ責任者) は現在の組織で非常に急速に進化している役職です。かつては CDO という役職そのものが存在していませんでしたが、現在では、Gartner と Forrester のレポートによると半数以上の組織にこの肩書を持つ担当者がいます[1]。

ブログ著者:Dan Sommer  本ブログは The DALAI Framework の翻訳になります。

この役割は、組織のまったく異なる部分から、さまざまな必然性によって生まれました (これについては今後のブログで詳しく取り上げます)。由来はさまざまでも、その核心には、データから引き出した価値を企業レベル/変革レベルで利用するというニーズがあります。Gartner が CDO に対して実施した調査によると、最大の障害は「変化の受容を取り巻く文化的課題」であり、その後に「データ リテラシーの不足」が続きます[2]。これらはどちらも人間を中心とする側面です。こうした背景から、筆者は先週スペインでシニアデータエグゼクティブの前に立つ機会を得たとき、「データ リテラシー」について話すよう求められました。必然的に、「データ リテラシーと、データ主導の広範な変革はどのように関係しているか」という質問がすぐに挙がりました。このようなとき、筆者は「DALAI」フレームワークを持ち出す傾向があります。今年初めに筆者が実施したトレンドオンラインセミナーをお聞きいただいた方は、この用語に聞き覚えがあるでしょう。DALAI フレームワークは略語であり、5 つの重要な要素を必要とします。データ、アクティビスト、リテラシー、アプリケーション、アイデアです。

データ: 「データは常に 1 か所にとどまっている」という考えは現実的ではありません。特に、ソーシャルデータ、オープンデータ、IoT などの断片化された新しいデータセットがかつてないほどのペースで増え続ける現代ではそうです。したがって、すべてに対して同等のレベルのガバナンスを適用することはできず、またそうすべきでもありません。代わりに、次のことに注目する必要があります。a) 可能な限り多くのデータ資産全体を綿密に洗い出す、b) 異なるレベルのガバナンスを用意しておき、そのデータにできるだけ近いガバナンスを適用する。中心的なガバナンス対策は、コンプライアンスの理由から最も機密性の高いデータに主に適用する必要がありますが、ミッションクリティカルの傾向が最も強いデータや、使用頻度や再利用頻度が最も高いデータにも適用することが求められます。

アクティビスト:ここで、人間の領域に足を踏み入れます。アクティビストとは、組織内で最も高いデータスキルを持つ人々のことです。具体的には、データアーキテクト、データサイエンティスト、アプリケーション開発者、ビジネスアナリストを指します。ここでは「脱サイロ化の文化」を作ることが重要です。そのような文化や環境があれば、アクティビストは組織のさまざまな部分からデータを取り出す権限を持ち、それらのデータを新しい方法で組み合わせることができます。これらのユーザーはデータにアクセスでき、基準から逸脱することを許容されますが、それには一定の条件が課されます。たとえば、行動規範コースを受講する、十分高い認定グレードを取得している必要がある、などがその例です。アクティビストが高い成果を挙げた場合、その成果を称えます。アクティビストが取り組みを開始したがまだ成果を挙げていない場合は、そのような需要の高い人材を社内に引き留める可能性が高くなります。同時に、アクティビストのようになる経路を他のユーザーに提供することもできます。

リテラシー: 前述のように、これは大きな障害ですが、アクティビズムへの架け橋となり、さらなるデータ変革をもたらす可能性を秘めています。www.dataliteracy.info に示す Qlik 独自の調査によると、ビジネス意思決定者のうち、データの読み取り、使用、分析、データに基づく話し合いに関する自分の能力に十分な自信を持っている人は 3 分 の 1 どまりであり、偶然にも大半の会社の BI 採用レベルと一致しています。82% の回答者が、データ関連のスキルセット向上のためにさらに多くの時間と労力を費やしたいと答えています。これは簡単に達成できる目標です。最近の Qonnections カンファレンスにおいて、当社の Jordan Morrow (ジョーダン・モロー) や Gartner の Valerie Logan[3] (バレリー・ローガン) 氏などの思考リーダーは、組織でさまざまなスキルレベルを検討し、それらを分類することは不可欠であると語っています。

アプリケーション:これは当然の選択肢ですが、アプリケーションのないデータは精製されていない油のようなものであり、あまり役に立ちません。ここでは、さまざまなユーザーに合わせてアプリの機能範囲を最適化することが重要です。週 1 回主要な KPI がわかればいいという人もいれば、営業担当者のように、その同じ情報を携帯電話で「瞬時に」入手する必要のある担当者もいます。また、既製のアプリで探索したい人もいれば、独自のアプリを作成したい人もいます。すべての人がコンテキストに応じたデータを望んでいます。そのため、カスタムアプリ、マッシュアップ、ボット、埋め込みなどの複数のインターフェイスを活用してください。理想は、データモデルを再利用できるハブで処理することです。データや人材と同様に、アプリケーションにも固有の認定システムを設けると利点が得られます。筆者はアプリの作成を奨励すべきと考えています。たとえそれがアプリの乱立を招いたとしても、従業員は意思決定に向けて最初の一歩を踏み出すことができます。便利なアプリは存続して (より高度なガバナンスに対応した) 認定アプリとなり、エンタープライズ規模で利用できます。それ以外のアプリは、時折質問に答えるだけで次第に使われなくなり、姿を消します。また、組織の現場レベルでさらに実験を重ねる方法で、データ主導のイノベーションを包括的に把握することができます。

アイデア: CDO は、データ主導のアイデアの審判者かつ実現者の役割を持つ支援者ですが、そのようなアイデアはしばしば、問題に近い立場にいる、現場レベルの従業員から発せられます。かつてある賢人は、「私たちの中には、誰か 1 人で、他の人間全員より賢い個人は存在しない」と言いました。アイデアを活用する最良の方法は、これまでの 4 つのポイントを実施することを別にすると、ゲーミフィケーションやコラボレーションを支えるインフラストラクチャと文化を持つこと、データ主導のアイデアを確保すること、そして、サンドボックスからワークグループ、部門レベルを経て最終的に全社レベルに至るプロモーションパスを実現するインフラストラクチャを持つことです。この方法で、トップダウンのベストプラクティスやガバナンスからの効果的なループと、ボトムアップのアイデア創出や機敏性を両立できます。

理論レベルにとどまりますが、このフレームワークの要素や断片は、筆者がこれまで見た中で最も成功を収めたいくつかのデータ主導プログラムに存在していました。それでも、当然のことながら、業界や規制環境などに応じて、これらの手法はさまざまな方法で適用する必要があります。CDO や他のアナリティクスリーダーは、効果を上げるためにこれらの原理のいくつかを取り入れることができ、またそうすべきでもあります。

 

[1] Survey Analysis: Third Gartner CDO Survey — How Chief Data Officers Are Driving Business Impact & Forrester: “Chief Data Officers Play A Leading Role In Business Transformation”

[2] Survey Analysis: Third Gartner CDO Survey — How Chief Data Officers Are Driving Business Impact

[3] Gartner: Information as a Second Language: Enabling Data Literacy for Digital Society