Qlik Sense February 2019以降のバージョンから、「ビジュアライゼーション拡張バンドル(Visualization Extension Bundle)」をご利用いただけるようになりました。このビジュアライゼーション拡張バンドルは、「拡張バンドル(Extension Bundle)」の一部で、標準チャートにはないファネルチャートやサンキーチャート、レーダーチャートなど様々な新しいチャート機能を提供するものです。

本セクションでは、このビジュアライゼーション拡張バンドルの機能と使い方についてご紹介いたします。

 

拡張バンドル(Extension Bundle)のインストール

新規インストール時、またはバージョンアップデート時

Qlik Senseのインストーラーを起動し、インストールを進めていくと以下のような画面が表示されます。この画面で「Install extension bundles」および「Visualization Bundle」にチェックを入れて次へ進み、インストールを完了させます。

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*Qlik Senseのインストール方法については、「Qlik Sense Desktopのダウンロードと導入の手順」を参照ください。

 

すでにQlik Senseの最新版がインストールされており、拡張バンドルのみ追加でインストールする場合

Windowsのコントロールパネルから設定が必要です。詳しくはヘルプ「拡張バンドル インストールの修正」をご確認ください。

なお、拡張バンドルはシート編集画面のカスタムオブジェクトに配置されています。

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サンプルアプリのダウンロード

以下のリンクからサンプルアプリをダウンロードいただけます。以降の説明は主にこちらのサンプルアプリを中心に進めてまいります。

>>Visualization Bundleサンプルアプリ

※サンプルアプリ内のビジュアライゼーションが表示されない場合は、前節の拡張バンドルのインストールが正しく完了しているかご確認ください。

 

ビジュアライゼーション拡張バンドル(Visualization Extension Bundle)に含まれるチャート

Funnel Chart (ファネルチャート)

ファネルチャートは、営業パイプライン管理における見込顧客数や商談中の顧客数などの可視化や、Webサイトアクセス解析におけるページビュー数、申込ページアクセス数、申込数などの可視化などに利用されるチャートです。各フェーズの数値の大きさ(営業パイプラインで言えば商談ステージごとの「売上見込金額」など)を面積、幅、高さなどで表現します。

※サンプルアプリの例

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作り方をより具体的にイメージいただけるように、サンプルアプリとは別の例をご紹介します。例えば、以下のような営業パイプライン管理票があると仮定します。この時、ファネルチャートの軸に[商談ステータス]を、メジャーに[売上見込金額]の合計(SUM(売上見込金額))を指定することでチャートを作成いただけます。

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※サンプルスクリプト

[営業ステータス管理]:
LOAD * INLINE
[
顧客名,商談ステータス,売上見込金額
A商事,リード,2000000
B電機,アポイント取得,1500000
C食品,アポイント取得,300000
D物産,提案中,500000
E電工,リード,1100000
F繊維,契約,300000
G保険,提案中,200000
H銀行,提案中,700000
I証券,リード,300000
J保険,契約,500000
K損保,リード,900000
L情報,アポイント取得,1000000
M総研,リード,900000
](delimiter is ',');

FunnelChart02

image

 

Sankey Chart (サンキーチャート)

サンキーチャートはフローチャートの一種です。以下の例では、商品カテゴリ(Category Name)ごとの売上がどの国(Country)で発生しているか、紐帯の紐づきで表現しています。また、売上の大小が帯の幅で表現されています。

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軸にCategoryNameやCountryといったカテゴリ値を、メジャーに売上金額や在庫数量などを選択することでサンキーチャートを作成いただけます。尚、軸は3つ以上選択することも可能です。

※サンプルアプリの例

Sankey

また、右側のプロパティパネルからスタイル > プレゼンテーションのタブを開き、お好みで軸の幅(Node width)や間隔(Node padding)をスライダーで調整いただけます。

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Radar Chart (レーダーチャート)

レーダーチャートは複数の特徴を並べて一見して比較できるチャートです。製品ごとのスペック比較、チームごとの得意・不得意領域の可視化、アスリートのパワー・スピード・スタミナといった能力の可視化などに用いられます。

一つ目の軸に比較対象、二つ目の軸に比較項目、メジャーに比較項目に対応する数値を選択することでレーダーチャートを作成いただけます。※以下例では、第一の軸にEmployees(従業員名)、第二の軸にSkills(スキル)、メジャーにSum(Rate) (評価値の合計)を選択しています。

※サンプルアプリの例

Radar

 

Heatmap Chart (ヒートマップ)

ヒートマップチャートは、集計値の大きさに応じてピボットテーブルをカラフルに表現したチャートです。一目でマトリクスの特徴を把握することが可能です。

ピボットテーブルと同じ要領で、軸を二つ、メジャーを一つ選択することでヒートマップチャートを作成いただけます。尚、任意で二つ目のメジャーを選択することも可能です。二つ目のメジャーはツールチップに表示されます。※ツールチップは、特定のマトリクスの上にマウスオーバーした際にポップアップのような形で表示されます。

※サンプルアプリの例

Heatmap

 

※ツールチップ

Heatmap_tooltip

 

Multi KPI (マルチKPI)

マルチKPIは、標準のKPIチャートを拡張し、様々な表現を可能にしたチャートです。

※以下すべて、サンプルアプリの例

複数のKPIチャートを並べて表示(軸によるスライス、複数メジャーの設定など)

MultiKPI_multimeasure

アイコン付きのKPI

MultiKPI_icon

フォントスタイル、フォントサイズ、配置、色などの詳細設定

MultiKPI_styling

ミニチャートの埋め込み

  1. 埋め込みたいチャートを作成し、マスターアイテムのビジュアライゼーションとして登録しておきます。
    ※シート編集画面にて、マスターアイテムに登録したい任意のチャート上で右クリックすると「マスターアイテムに登録」というメニューが表示されます。
    MultiKPI_MasterItem
  2. マルチKPIを作成し、任意のメジャーを追加します。(以下の例では、=’Drag and Drop here’という文字列を追加)
  3. 2.で追加したメジャーのプロパティを開き「Hide label」にチェックを入れます。
  4. 登録したマスターアイテムをマルチKPIにドラック&ドロップします。
    MultiKPI_MiniChart

その他、以下のような様々な表現が可能です。

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Word Cloud Chart (ワードクラウド)

ワードクラウドは、データの出現頻度を文字サイズや色の違いを用いてグラフィカルに表現するチャートです。軸に顧客名や地域名、商品種別といった項目を選択し、メジャーにはフォントサイズや色の表現の基準となる数値項目を選択します。以下の例では軸に顧客名(Customer)、メジャーに売上の合計(Sum(Sales))を選択することで、売上の大きい顧客名が大きく、かつ色濃く表示されています。

※サンプルアプリの例

Wordcloud_01

さらに、右側のプロパティパネルから、角度のバリエーション(Orientations)や、始点・終点の角度(Start Angle/End Angle)、最小・最大フォントサイズ(Font Min size/Font Max Size)、フォントカラー(Scale Color)など詳細設定が可能です。

Wordcloud_02

Network Chart (ネットワークチャート)

ネットワークチャートは上長⇔部下、本店⇔支店といった階層とその構成要素をグラフィカルに表現する際に用いられるチャートです。

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※サンプルアプリの例

ネットワークチャートの作成には、以下の4つの軸となる項目を含むテーブルが必要です。

  1. 各ノードのID(例:従業員ID)
    • 0で始まる
    • 1,2,3,4…と1ずつ増加していく
    • 整数値
    • ユニーク値
  2. ノードのラベル(例:従業員名)
  3. 親ノードのID(例:上長の従業員ID)
    • 1.のノードIDを参照
  4. ノードグループ(例:グループID)
    • グループ単位を表す任意の数値
    • 各ノードの色分けに使用される

※チャートの軸選択の際には、1→4の順番で上から選択する必要があります。

作り方をより具体的にイメージいただけるよう、サンプルアプリとは別の例をご紹介します。以下の手順を試してみてください。

  1. Qlik Senseで新規アプリを作成し、以下のスクリプトをデータロードエディタからロード
Load * Inline
[
従業員ID, 従業員名, グループID, 上長ID
0, 社長, 0,
1, 営業部長, 1,0
2, 経理部長, 2,0
3,営業1課長,3,1
4,営業2課長,4,1
5,経理部課長,2,2
6,営業1課スタッフ,3,3
7,営業1課スタッフ,3,3
8,営業2課スタッフ,4,4
9,営業2課スタッフ,4,4
10,経理スタッフ,2,5
11, 技術部長, 5,0
12, 技術部課長, 5, 11
13, 技術部スタッフ, 5, 12
14, 技術部スタッフ, 5, 12
];

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  1. シート編集画面にて、以下の動画の手順でネットワークチャートを作成いただけます。

Network_01

 

また、任意でメジャーを3つまで指定することも可能です。

  1. ツールチップに表示される値を設定いただけます。※ツールチップはノード上にマウスオーバーした際にポップアップのような形で表示されます。
  2. 集計値に応じてノードの大きさが変更されます。
  3. 集計値に応じてノード間をつなぐ線(エッジ)の幅が変更されます。

Network_02

その他、ノードやエッジのデザイン変更なども可能です。
Network_02

まとめ

Qlikは、Qlik Senseをはじめとするツールのポテンシャルを最大限引き出すため、オープンAPIや開発者向けコミュニティ(Qlik Branch)を推進しています。一方で、今回ご紹介した拡張バンドルは、こういった開発者コミュニティで公開されている有用な拡張機能に対して、Qlik社が製品の一部としてサポートを提供し、お客様が安心してより多くの機能を活用できることを意図として提供が開始されました。今回はファネルチャートやサンキーチャートなどを提供する「ビジュアライゼーション拡張バンドル(Visualization Extension Bundle)」をご紹介させて頂きました。