ブログ著者:Poornima Ramaswamy  本ブログはUsing Augmented Intelligence To Drive Recovery and Growth Through COVID and Beyond の翻訳になります。

データを効果的に活用すれば最終的な収益を最大化できることは誰もが認めるところです。しかし、人、プロセス、テクノロジーが障害となり、いまだに多くの企業がデータを最大限に活用できていません。幸いなことに、統合的な取り組みによって企業には計り知れないチャンスがもたらされ、データをより効率的に活用し、新しい製品、サービス、ビジネスモデルを作り出すことができます。統合的な取り組みとは拡張知能、つまり AI、機械学習、アナリティクスを組み合わせて活用し、従業員を支援する取り組みです。

企業にとってデジタル変革が必要なことは自明であり、そのプレッシャーは新型コロナウイルス感染症の影響によってさらに高まりました。現在のような危機的状況になる前から KPMG は、2022年にも、収益増の 80% が新しいデジタルソリューションに依存するようになることを予想していました。新しいソリューションが正確にどこで活用されるかは企業によって異なりますが、私は、現在も、そして新型コロナウイルス感染症が収束してからも、拡張知能が新しいソリューションを特定する上で、そして影響力のあるプロセスを改善する上で企業全体にわたり大きく貢献する考えています。

拡張知能を推奨する理由

拡張知能に取り組むことで、従業員が有用なデータを使いやすくなり、さらに多くのデータが活用できるようになります。新型コロナウイルス感染症の影響で市場再編が進んでいる今、これは特に重要です。縮小する顧客ベースをめぐって激しい競争が繰り広げられる中で、正確なデータに基づいてタイムリーに意思決定を行えるかどうかが、最終的な収益を大きく左右する可能性があるからです。拡張知能は AI と機械学習を使って、増え続ける大量のデータを処理することで、より迅速にインサイトを獲得します。組織全体でデータ主導型の意思決定を実現するには、この拡張知能が欠かせません。人間の力では、今日の巨大化したデータセットを手動で選別したり、リンクや接続を設定したりするのは不可能だからです。拡張知能を導入すると、次のような大きなメリットが得られます。
• 多種多様なシステムから重要度の高いデータを探し出して統合し、分析をリアルタイムに実行できます
• 手作業で行われていたレポート作成、財務処理、規制遵守のためのプロセスを自動化し、従業員が、意思決定に関連するデータの分析により多くの時間をかけられるようにします
• クラウドへの投資からさらなる価値を引き出します。拡張知能によるアナリティクスを最初にクラウドで実行することで、ローカル分析を制限し、コストを削減できます。
• 拡張知能を活用したアナリティクスにより、従業員が、顧客満足度およびビジネスチャンスに関する高度な分析や、リスクプロファイルの分析(市場の状況と競合他社との比較)を迅速に実行できるほか、データを検索し、新しい製品/サービスをより簡単に特定することができます。

拡張知能アセスメントの重要性

スケーラブルな拡張知能への取り組みを開始するには、まず組織のデータおよびアナリティクス能力、たとえばテクノロジー、プロセス、人の能力を調査します。組織の現状の能力を把握して初めて、リーダーは戦略的な投資を通じて、データの価値を大幅に制限しかねないギャップの解消に取り組むことができるのです。たとえば次のようなケースが考えられます。

  •  スタッフがデータの扱いに慣れていない場合は、データリテラシーのトレーニングが重要になります。データリテラシーがなければ、スタッフは萎縮し、拡張知能が搭載されたテクノロジーの利用を避けるでしょう。
  •  従業員が自分の職務や役割に対応するリアルタイムデータにアクセスできない場合、テクノロジーを通じたインテリジェンス拡張の用途は限定され、従業員はデータ主導型の意思決定から直感的な判断へ逆戻りしてしまう可能性があります。

あらゆる業界に有効な拡張知能

拡張知能への取り組みを適切に実施、展開すれば、業界に関係なく組織全体に非常に大きな影響を与えることができます。

意思決定を強化するためのデータ使用が、新型コロナウイルス感染症の影響で大幅に増加した業界の 1つが医療業界です。Qlik は、チェシャーやモーカムベイなど、英国全土にわたる多数の NHS(国民保健サービス)拠点と協力して、手動プロセスから、タイムリーな意思決定を強化するアナリティクスアプリケーションへの移行を進めています。意思決定には、取り扱い件数とウイルス拡散の統計に基づく個人用防護具の予測と割り当て、トリアージ、キャパシティ予測などの医療ニーズ、人員配置のニーズなど、全範囲が含まれています。現在までに、200 を超える組織(70 の NHS Trust を含む)が無料の新しいデータ主導型 AI アナリティクスアプリケーションを展開し成果を挙げており、英国全土の医療機関におけるデータ活用方法の変革が期待されています。

また、新型コロナウイルス感染症は、あらゆる業界のサプライチェーンのストレステストにもなりました。需要曲線が一夜にして変わり、組織は新しいデータを使って業務を強化し、その変化に対応するだけでなく備える必要がありました。全米 50州および 80ヶ国を超える国で活動する人道的支援組織 Direct Relief は、70年の歴史上かつてないほど、医療サプライチェーンの流通を拡大し、ターゲットを絞る必要に迫られていました。業務上の視点と疫学的データを関連付け、感染事例の発生、リスク要因、変わり続ける医療機関への影響を把握する必要がありました。現在、Direct Relief は新しい Qlik アプリケーションのおかげで、動的に変化する感染状況をリアルタイムで追跡でき、ピンポイントで個人防護具を提供することで最大限の効果を上げています。

英国の City Plumbing 社もまた、拡張知能への取り組みによって、新型コロナウイルス感染症の影響で変化した市場に上手く対処しました。City Plumbing 社は以前から Qlik を通じてデータを一元化し、組織全体でデータの民主化を実現していました。同社は、コロナ禍の影響で変化した市場状況に関連する新しいデータを取り込むことで、顧客ベース全体に対する理解を深めました。既存の顧客データを競合インテリジェンスや GeoAnalytics と組み合わせ、パーソナライズされた提案によって営業機会を絞り込み、困難な市場状況で売り上げを伸ばし続けています。また、経済指標と過去の不況から得られたデータモデルを活用して、コロナ禍が沈静化した後の成長を視野に入れたポジショニング戦略の明確化にも取り組んでいます。

拡張知能の事例

どの企業でも収集するデータは増加しており、その量は今や人間が理解できる範囲を超えています。拡張知能を使用すれば、フロントエンドの分析を自動化し、自社の従業員が持つお客様と市場に関する独自の知識を活かして、事業展開の戦略性をさらに高めることができます。その際に鍵となるのが次のような質問です。
• 現時点でどのようなデータを利用でき、どこからデータを収集できるか。
• 真の価値があるインサイトとインテリジェンスを深めることで、どのような隣接業界や市場に進出できるか。
• 拡張インサイトをどのように活用すれば、新しい製品、サービス、ビジネスモデルを独自に開発して競争力を高められるか。

進化し続ける競争環境と新型コロナウイルス感染症に起因する不確定な状況の中、企業は拡張知能を導入することで、より迅速にインサイトを獲得し、効率化を実現。市場投入までの期間を短縮し、収益増の機会を創出できるようになります。また、データ活用のレベルが上がり、今だけでなく今後も続くかもしれない激動の状況を乗り切ることができます。