はじめに

ここでは、販売データを分析するに当たって一般的に用いられる指標である「購入人数」、「買上率」、「リピート率」をサンプルデータを使って算出する手順をご説明します。

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事前の準備

以下のリンクからサンプルデータをダウンロードし、ダウンロードしたZIPファイルを任意の場所に解凍してください。

>>サンプルデータ(販売実績分析データ)のダウンロード

まず、Qlik Sense Desktopを開いて「販売実績分析」という名前の新規アプリを作成します。そして、ダウンロードしたZIPファイルに含まれるファイルを取り込んでください。もし、これらの手順が分からない場合には以下のエントリを参照してください。

>> 10分で試すQlik Senseでデータ分析

購入人数の算出

では、まず商品を軸として購入人数を算出したいと思いますが、ここでは以下の4つの指標を対象とします。これらの指標は、後の買上率やリピート率の計算にも利用します。

  • 商品ごとの延べ購入人数
  • 延べ購入人数合計
  • 商品ごとのユニーク購入人数
  • ユニーク購入人数合計

以下の形でテーブル形式でこれらの指標を商品ごとに表示します。最初に左側のパネル上で「チャート」タブを開き、「テーブル」をシートの空白スペースに配置します。

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「軸を追加」をクリックし、「商品名」を選択します。

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商品ごとの延べ購入人数

延べ購入人数では、例えば1人の顧客が2回購入した場合には2人として計算します。計算としては受注の数を計算すればよいですので、以下の計算式となります。

Count(Distinct [受注コード])

テーブルの右側の「プロパティ」から「データ」タブを選択し、「列の追加」をクリックします。

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上記の数式を数式欄に入力します。

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追加したメジャーのラベルを「商品ごとの延べ購入人数」に変更します。

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以下の形でテーブルが作成されたことを確認します。

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延べ購入人数合計

延べ購入人数では、商品を跨いだ全ての延べ購入人数の合計を算出します。先ほどの「商品ごとの延べ購入人数」の数式に「Total」を追加すると、設定された「商品名」の軸を無視して全ての合計(Total)を算出しますので、数式は以下となります。

Count({$<商品名=>} Total Distinct [受注コード])

また、商品名のフィルタで絞り込みを行うと計算対象の母数が絞り込んだ商品のみとしてしまうことを避けるため、ここではSET分析の「{$<商品名=>}」を追加しています。(SET分析については「思い通りのチャート集計を実現–Qlik SenseのSET分析」のエントリをご参照ください。)

先ほどと同様の手順で、テーブルの右側の「プロパティ」から「データ」タブを選択し、「列の追加」から以下の形のメジャーを新たに追加し、ラベルに「延べ購入人数合計」を入力します。

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以下の形でテーブルに「延べ購入人数合計」の列が追加されたことを確認します。

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商品ごとのユニーク購入人数

商品ごとのユニーク購入人数では延べ購入人数とは異なり、例えば1人の顧客が2回購入した場合には1人として計算します。計算としてはユニークな顧客の人数を計算します。

Count(Distinct [顧客コード])

先ほどと同様の手順で以下のメジャーを新たに追加し、ラベルに「商品ごとのユニーク購入人数」と入力します。

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以下の形でテーブルに「商品ごとのユニーク購入人数」の列が追加されたことを確認します。

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ユニーク購入人数合計

延べ購入人数と同様の考え方で、ユニーク購入人数の商品を跨いだ合計を算出します。計算式は以下となります。

Count({$<商品名=>} Total Distinct [顧客コード])

これも先ほどと同様の手順で以下のメジャーを新たに追加し、ラベルに「ユニーク購入人数合計」と入力します。

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以下の形でテーブルに「ユニーク購入人数合計」の列が追加されたことを確認します。

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買上率の算出

次に買上率の算出を行います。買上率として、購入人数の全体を母数として、各商品を購入した人数の比率を算出します。(実際には、来店人数合計を母数としたり、商品カテゴリごとに買上率を求めるケースも考えられます。)

顧客にフォーカスした視点として、延べ人数ではなくユニークな購入人数を採用し、前段で算出した値を使った以下の数式で算出します。

  • 買上率(%) = 商品ごとのユニーク購入人数 ÷ ユニーク購入人数合計

では、買上率をテーブルに追加したいと思います。テーブルの「プロパティ」を開きます。「データ」タブの「データの追加」をクリックし、「メジャー」を選択します。

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「数式エディタを開く」をクリックします。

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以下の数式を入力し、「適用」をクリックします。(尚、以下では既に作成済みメジャーのラベル名を利用して計算していますが、「Count(Distinct [受注コード]) / Count({$<商品名=>} Total Distinct [顧客コード])」という形で数式を直接入力することで計算も可能です。)

商品ごとのユニーク購入人数/ユニーク購入人数合計

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追加したメジャーのラベルを「買上率」に変更します。また、「数値書式」を「数値」に設定して書式から「12.3%」を選択します。

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下にスクロールし、「Totals関数」の設定を「Average」に変更します。

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以下の形でテーブルに「買上率」の列が追加されたことを確認します。

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リピート率の算出

リピート率

リピート率はここでは、延べ購入人数を母数として、再購入の延べ人数(2回目以降の延べ購入人数)の比率として計算します。計算式は以下となり、これも前段で算出した値を使って計算することができます。

  • リピート率(%) = (商品ごとの延べ購入人数 – 商品ごとのユニーク購入人数) / 商品ごとの延べ購入人数

テーブルの「プロパティ」を開きます。「データ」タブの「データの追加」をクリックし、「メジャー」を選択します。

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「数式エディタを開く」をクリックします。

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以下の数式を入力し、「適用」をクリックします。(尚、以下では既に作成済みメジャーのラベル名を利用して計算していますが、「Count(Distinct [受注コード]) / Count({$<商品名=>} Total Distinct [顧客コード])」という形で数式を直接入力することで計算も可能です。)

(商品ごとの延べ購入人数-商品ごとのユニーク購入人数)/商品ごとの延べ購入人数

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追加したメジャーのラベルを「リピート率」に変更します。また、「数値書式」を「数値」に設定して書式から「12.3%」を選択します。

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以下の形でテーブルに「リピート率」の列が追加されたことを確認します。

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リピーター率の算出

リピート率と似た指標としてリピーター率があり、これは購入人数に占める2回以上の購入者の比率を示すものになります。以下の式で算出が可能です。

  • リピーター率(%) = (商品ごとのユニーク購入人数 – 商品ごとのユニークなワンタイム購入人数) / 商品ごとのユニーク購入人数

「商品ごとのユニーク購入人数」は既に前段で算出済みですが、「商品ごとのユニークなワンタイム購入人数」はAggr関数を使った以下の数式で求めることができます。(Aggr関数については「Qlik SenseのAggrによる高度な集計処理」のエントリをご参照ください。)

Sum(If(Aggr(Count(Distinct [受注コード]), [商品コード],[顧客コード])=1, 1, 0))

まとめ

以上、このエントリでは、販売データ分析で一般的に用いられる「購入人数」、「買上率」、「リピート率」といった指標の算出手順をご説明しました。