はじめに

Qlik Senseの「連想技術」を生かした「バスケット分析」」ではQlik Senseを使ったバスケット分析の手法についてご紹介しましたが、ここではそれと関連して「併売リフト値」の算出をQlik Senseで行う手順をご紹介します。

事前の準備

以下のリンクからサンプルデータをダウンロードし、ダウンロードしたZIPファイルを任意の場所に解凍してください。

>>サンプルデータ(販売実績分析データ)のダウンロード

まず、Qlik Sense Desktopを開いて「併売リフト値」という名前の新規アプリを作成します。そして、ダウンロードしたZIPファイルに含まれるファイルを取り込んでください。もし、これらの手順が分からない場合には以下のエントリを参照してください。

>> 10分で試すQlik Senseでデータ分析

併売リフト値の考え方

併売リフト値は全体の購入者と比較し、ある特定の商品や商品カテゴリの購入者が他の製品を併売する傾向の強弱を判別するために利用されます。以下では、「赤ワイン」を購入した顧客を対象とし、「チーズ」を併売するケースを分析する併売リフト値の例を示しています。

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上記の購入状況は以下となっています:

  1. 全体の購入者の中で「チーズ」を購入した人の割合:2/10 = 20%
  2. 赤ワインの購入者の中で「チーズ」を購入した人の割合:1/2 = 50%

この場合の併売リフト値は50%÷20% = 2.5となり、このことは「全体の購入者と比較した場合、赤ワインの購入者は2.5倍チーズを買う傾向にある」ということを示しています。尚、「1」の場合は全体と同様の傾向で、「0.5」の場合は全体と比較して半分の購入しか併売していないことを指しています。

ここでは、ある商品を選択し、その選択した商品との併売リフト値を算出するチャートを作成します。併売リフト値は以下の数式で算出することができます。

  • 併売リフト値(%) = 選択した商品を購入した顧客の買上率 / 全体の買上率

「全体の買上率」は上記例の<1. 全体の購入者の中で「チーズ」を購入した人の割合>の計算に当たり、以下で算出が可能です。尚、この算出方法については「Qlik Senseを使った販売データの「買上率」「リピート率」の算出」の項で扱った内容と同様なものになります。

  • 全体の買上率(%) = 商品ごとのユニーク購入人数 / ユニーク購入人数合計

一方、「選択した商品を購入し顧客の買上率」については以下の数式で計算することができます。これは上記例の<2. 赤ワインの購入者の中で「チーズ」を購入した人の割合>の部分に当たります。

  • 選択した商品を購入し顧客の買上率(%) = 選択した商品購入者の商品ごとのユニーク購入人数/選択した商品のユニーク購入人数

Qlik Senseでの併売リフト値の算出手順

左側のパネル表示を「項目」に切り替え、「商品名」の項目をシートの空白スペースに配置します。

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左側のパネル表示を「チャート」に切り替え、「テーブル」をシートの空白スペースに配置します。

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「軸を追加」をクリックし、「商品名」を選択します。

image_thumb[3]

冒頭でご説明した4つの指標のそれぞれの数式は以下となります。

  • 商品ごとのユニーク購入人数
    Count({$<商品名=>}Distinct [顧客コード])
  • ユニーク購入人数合計
    Count({$<商品名=>}Total Distinct [顧客コード])
  • 選択した商品購入者の商品ごとのユニーク購入人数
    Count({<顧客コード=P({$}顧客コード), 商品名=E({$}商品名)>} Distinct 顧客コード )
  • 選択した商品のユニーク購入人数
    Count(Total Distinct [顧客コード])

今回は「併売リフト値」を求めるために、これらの数式をまとめて以下の形として入力したいと思います。

(Count({<顧客コード=P({$}顧客コード), 商品名=E({$}商品名)>} Distinct 顧客コード )/Count(Total Distinct [顧客コード]))/(Count({$<商品名=>}Distinct [顧客コード])/Count({$<商品名=>}Total Distinct [顧客コード]))

テーブルの右側の「プロパティ」から「データ」タブを選択し、「列の追加」をクリックします。

image_thumb[5]

「数式エディタを開く」をクリックします。

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以下のの数式を数式欄に入力します。(尚、以下は「Qlik Senseの「連想技術」を生かした「バスケット分析」」に説明のある「期間内併売分析」に従った数式となっています。「同時購買分析」を行う場合には、以下の[顧客コード]を[受注コード]に修正する必要があります。)

(Count({<顧客コード=P({$}顧客コード), 商品名=E({$}商品名)>} Distinct 顧客コード )/Count(Total Distinct [顧客コード]))/(Count({$<商品名=>}Distinct [顧客コード])/Count({$<商品名=>}Total Distinct [顧客コード]))

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追加したメジャーのラベルを「併売リフト値」に変更します。「数値書式」を「数値」に設定し、書式から「1,000.12」を選択します。

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「プロパティ」を開いて「拡張機能」タブを選択し、「データ処理」の「演算実行条件」に以下の式を入力し、以下を参考にして「表示されたメッセージ」の欄に「左の一覧から商品名を選択してください。」と入力します

GetSelectedCount([商品名]) = 1

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以下の様なチャートが完成しました。

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左側から「商品名」を選択すると、商品名を軸とした併売リフト値が表示されます。

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また、「Qlik Senseの「連想技術」を生かした「バスケット分析」」のチャートと組み合わせ利用すると、併売の売上ランキングと併せて分析することができます。

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まとめ

以上、全体の購入者と比較し、ある特定の商品や、商品カテゴリの購入者が他の製品を併売する傾向の強弱を判別するために利用される「併売リフト値」をQlik Senseで分析する手順についてご説明しました。