はじめに

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「バスケット分析」では顧客がある商品を購入した同一タイミングで他のどの商品を購入しているかを分析する手法で、併売を促すための商品陳列最適化、顧客の嗜好や購買動機の把握などのために使われます。

一般的に「バスケット分析」を行おうとすると手間をかけてデータを加工したりなどを行う必要があります。それに対してQlik Senseのコア技術の一部である「連想技術(アソシエーション・テクノロジー)」を生かすと、その名前に有る通りレコード間のアソシエーションが効率的かつ自動的に管理されるため、シンプルな手順で分析を行うことが出来ます。ここではその手順をご紹介します。

事前の準備

以下のリンクからサンプルデータをダウンロードし、ダウンロードしたZIPファイルを任意の場所に解凍してください。

>>サンプルデータ(販売実績分析データ)のダウンロード

まず、Qlik Sense Desktopを開いて「バスケット分析」という名前の新規アプリを作成します。そして、ダウンロードしたZIPファイルに含まれるファイルを取り込んでください。もし、これらの手順が分からない場合には以下のエントリを参照してください。

>> 10分で試すQlik Senseでデータ分析

バスケット分析の実践

簡単なバスケット分析のチャート作成

左側のパネル表示を「項目」に切り替え、「商品名」の項目をシートの空白スペースに配置します。

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同様に、「受注コード」の項目をシートの空白スペースに配置します。

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配置した項目枠線の矢印をドラッグしてサイズを以下の様に調整します。

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左側のパネル表示を「チャート」に切り替え、「棒グラフ」をシートの空白スペースに配置します。

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「軸を追加」をクリックし、「商品名」を選択します。

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「メジャーを追加」をクリックし、「販売価格」を選択後、「Sum([販売価格])」を選択します。

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右側の「プロパティ」を開いて「データ」タブを選択し、メジャーの「Sum([販売価格])」の「ラベル」を「売上高」に変更し、「数値書式」を「通貨」に設定します。

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「プロパティ」の「ソート」タブを選択し、「売上高」の項目をドラッグして先頭に移動します。

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「スタイル」タブを選択し、「色と凡例」の色のスイッチをクリックして自動をOFFにします。

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「メジャーごと」を選択し、配色は「連続グラデーション」が選ばれたままにします。

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チャートのタイトルを「バスケット分析」に変更します。

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以下でバスケット分析を行う準備が完了しました。

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バスケット分析の実施

では、作成したチャートを使って、実際にバスケット分析を行います。ここでは「赤ワイン」と同時併売されている商品を売上高順に表示させたいと思います。Qlik Senseでは内部的にレコード間のアソシエーション情報を保持していて「緑」「白」「灰色」でその紐付きを判別することができ、この機能を生かしてバスケット分析を行います。

「商品名」のフィルタから「赤ワイン」を選択します。「赤ワイン」は緑色に変わり、これは明示的に選択された項目であることを示しています。また、受注コードは白色と灰色で分割されますが、白色は選択した「赤ワイン」と紐付きがある受注コード(=「赤ワイン」を購入している受注)、灰色は選択した「赤ワイン」と紐付きが無い受注コード(=「赤ワイン」を購入していない受注)であることを示しています。

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「受注コード」フィルタのタイトル部をクリックし、「・・・」のボタンをクリックします。

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「絞込値を選択」をクリックします。

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「絞込値を選択」により、白色となっていた「受注コード」のレコードが緑色(=選択状態)となったことを確認します。

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上部のバー上に表示されている「商品名 赤ワイン」の「×」ボタンをクリックし、「赤ワイン」の選択を解除します。この状態で「赤ワイン」が購入された受注コード(=伝票)のみが選択された状態になりました。

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バスケット分析のチャートが以下の様に表示されたことを確認します。「赤ワイン」が購入されている受注に紐付く商品、つまり「赤ワイン」と併売された商品が表示されています。

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先ほど選択した「赤ワイン」自身が表示されていますので、範囲を指定して「赤ワイン」以外の商品を絞り込み、右上の緑色のボタンをクリックして選択を確定します。

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以下の様な形で、「赤ワイン」と併売されている商品の売上高ランキングが棒グラフで表示されました。

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バスケット分析の洗練化

以上では商品の選択、受注コードの絞込値の選択など複数ステップの手順を踏む必要がありましたので、商品を選択すればワンクリックで併売されている商品の売上高ランキングが表示されるようにチャートを洗練化します。

編集モードに戻り、「受注コード」のフィルタを削除して「商品名」のフィルタのみを残します。

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「バスケット分析」のチャートを選択し、右側の「プロパティ」の「データ」タブからメジャーの「売上高」を開いて、「数式」の「数式エディタを開く」ボタンをクリックします。

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入力されている「Sum([販売価格])」を削除し、以下の数式を入力して「適用」をクリックします。ここではSET分析のP()とE()を使っていますが、SET分析については「思い通りのチャート集計を実現–Qlik SenseのSET分析」のエントリをご参照ください。

Sum({<[受注コード]=P({$}[受注コード]), [商品名]=E({$}[商品名])>} [販売価格]) 

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「プロパティ」を開いて「拡張機能」タブを選択し、「データ処理」の「演算実行条件」に以下の式を入力し、以下を参考にして「表示されたメッセージ」の欄に「左の一覧から商品名を選択してください。」と入力します。

GetSelectedCount([商品名]) = 1

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以下の様なチャートが完成しましたので、編集モードを完了して実際に操作してみたいと思います。

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左側から「商品名」を選択すると、選択した商品と併売されている商品の売上高ランキングが棒グラフで表示されます。

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「同時購買分析」と「期間内併売分析」

以上では、ある顧客が同時に購入している商品を分析するため、同じ「受注コード」に紐付く商品(=1つのレシートに含まれる商品)を判別するチャートを作成しました。

ただ、顧客の嗜好や顧客による併用状況などを分析するに当たっては、同じタイミングで購入された分析を行うのではなく、特定の期間内である顧客に購入された商品を分析することが有効です。ここでは作成したチャートを修正して、この「期間内併売分析」を行えるようにします。

編集モードに入って「バスケット分析」チャートを選択し、右側の「プロパティ」を開いて「データ」タブを選択し、メジャーの「売上高」を開いて、「数式」の「数式エディタを開く」ボタンをクリックします。

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以下の数式の赤字の部分を以下の様に修正します。

Sum({<[顧客コード]=P({$}[顧客コード]), [商品名]=E({$}[商品名])>} [販売価格]) 

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これにより、「商品名」を選択すると同一顧客により併売されている商品の売上高ランキングを棒グラフで表示することができます。

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まとめ

以上このエントリでは、Qlik Senseのコア技術の一部である「連想技術(アソシエーション・テクノロジー)」を生かして、バスケット分析を行う手順をご説明しました。