ガートナー社は調査レポート「2015年予測:ビジネス・インテリジェンスと分析におけるパワーシフトが破壊的変化をもたらす(Predicts 2015: Power Shift in Business Intelligence and Analytics Will Fuel Disruption)」を発表し、2017年までには、ほとんどのビジネスユーザーやアナリストは分析のためのデータを準備するためにセルフサービスのツールを利用するようになる、との予測をその中で述べています。

Gartner Says Power Shift in Business Intelligence and Analytics Will Fuel Disruption

多くのビジネスユーザーやアナリストは分析を行うためのデータの準備に多大な時間を割いている現状がありますが、そのような状況に対してガートナーリサーチ バイスプレジデントのリタ・サラム(Rita Sallam)は以下の様に述べています。

情報管理、抽出・変換・ロード(ETL)機能を包含するようセルフサービスの範囲を広げる能力をビジネスユーザーやアナリストを提供したり、BIおよび分析プラットフォームによって分析・消費されるデータへのアクセス、プロファイリング、準備、統合、キュレーション、モデリング、エンリッチメントを可能にするデータ準備の機能が現れ始めています。

伝統的なBIはIT主導型で、ビジネスニーズへの俊敏な対応やユーザーのエンパワーメントがなかなか行えないという課題があります。そのような課題への一つの解として、ビジネスユーザーが主導でデータを分析し、新たな発見に繋げていくためにデータディスカバリツールは大きな貢献をし、その結果今日の形で広く受け入れられるようになったと言えると思います。

ただ、セルフサービスのデータ統合について、サラム氏はこのように述べています。

しかしながら、特定のスキル群が求められます。セルフサービスでのデータ統合を行うためにはユーザーが技術的側面と、データを結合するためのビジネス要件の両方に習熟することが求められます。

データディスカバリはデータ分析に必要な作業をIT部門に依存するのではなく、ビジネスユーザー主導へのシフトをもたらしてきましたが、データ統合や準備までを含めた「セルフサービス」には難しさがあることをここで述べているものだと考えられます。そのような中で、ガートナーは以下のような予測を行っています。

2017年までに、ほとんどのデータディスカバリツールは、インターアクティブなデータ分析の対象範囲を広げるために、よりスマートなデータ探索機能を組み込む。

データディスカバリやセルフサービスBIにおける焦点が「ビジュアライゼーション」に置かれがちであると感じられる今日の状況において、データ探索・データ準備を重要な要素として捉えている点は非常に示唆に富んでいると考えます。また、ガートナーは以下のようにも予測しています。

2016年までは、セルフサービスBIの取組みの10%以下しか、ビジネスに悪影響をもたらす不整合を防ぐために十分なガバナンスのもとに統制されない。

これは非常に厳しい予測・数字だと言えます。ただ、同時にこれを防ぐためには「統制されたエンタープライズBIの実装」や「より良く統制されたセルフサービスBIテクノロジーのデプロイメント」の必要性が訴えられており、セルフサービスBIがただ自由かつ簡単にデータを分析できるというものではなく、ガバナンスや統制が重要であることを改めて考えさせられる報告内容となっています。